2007-08-28 17:09:06
日本はヨーロッパ的な方が良い?
エンジンオイルから見たヨーロッパとアメリカの違いをお話しいたします。
まず、それぞれの自動車の標準的なスペックの違いをご覧ください。
■一般的な自動車の性能
【アメリカ】
・排気量 :3.6L/V6
・出力 :132kw/5,000rpm
・最高速度 :55mph(88km/h)
・吸気方式 :主に自然吸気
・オイルクーラー :限定的に採用
【ヨーロッパ】
・排気量 :2L/4気筒
・出力 :110kw/6,000rpm
・最高速度 :220km/H
・吸気方式 :ターボ、スーパーチャージャーを積極的に採用
・オイルクーラー :50%以上のモデルが採用
■オイル交換インターバルの違い
【アメリカ】
・GMオイルライフモニターシステム(最低限度) :約3,000km(2,000マイル)
・フォード :約5,000km(3,000マイル)
・クライスラー :約10,000km(6,000マイル)
・GM/トヨタ/日産/ボルボ :12,000km(7,500マイル)
・GMオイルライフモニターシステム(最高限度)/ホンダ :16,000km(10,000マイル)
クライスラーもメルセデスベンツの技術を取り入れ、低粘度のエンジンオイルを採用
【ヨーロッパ】
・フォード/BMW(最低限度) :20,000kmまたは1年
・オペル/フィアット/プジョー/ルノー :30,000kmまたは1年
・VW(ガソリン)/メルセデスベンツ :30,000kmまたは2年
・BMW(最高限度) :40,000kmまたは2年
国土の違い等で、ヨーロッパとアメリカでは自動車の開発コンセプトや実際の性能。また、自動車に対するユーザーのニーズが異なります。
それぞれの自動車メーカーがエンジンオイルに要求するものも異なります。
日本の自動車メーカーは?というと。
基本的にはAPI(米国石油協会)や日米自動車工業会で組織されるILSAC(国際潤滑油標準化認証委員会)の規格を基準としていますが、
自動車のスペックや使用環境を考えると、アメリカよりむしろヨーロッパに近いのではないでしょうか。
日本の自動車メーカーはACEA(ヨーロッパ自動車工業会)の規格を基準にした方が良いように思います。
最近では、アメリカの自動車メーカーもオイルに対しての考え方が、低粘度でしかもロングライフというようなヨーロッパ的?になってきますし。
次期GTRはどのようなスペックのエンジンオイルを採用するのでしょう?
ヨーロッパでは自動車メーカーに対する排ガス規制や燃費規制のハードルがますます高くなっています。
自動車メーカーのエンジンオイルに対する要求も厳しくなり、オイルメーカーさらに進化したエンジンオイルを開発していかなければなりません。
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