ついに2024年9月19日、ノキアンタイヤにより、
タイヤメーカーとして世界で初めてとなる、
「CO2 エミッションZERO」の工場が、ルーマニアに開設されました。
オペレーションに関わる全ての電力を、化石燃料を使わない方法で発電するこちらの工場。
2023年に始まった建設プロジェクトは、ルーマニア政府から1億ユーロほどのサポートを受け
18か月間という非常に短い期間で完成を迎えました。
オープニングの式典の様子。
ノキアンタイヤはもともとロシアに工場を構えて
北欧を除くヨーロッパ市場への供給を行っておりましたが、
ウクライナ侵攻による政情不安定化により存続が難しくなり、最終的には売却。
最大のマーケットの一つでもある欧州向けの供給拠点の再建という、
ノキアンタイヤの経営の最重要課題にとって、非常に大きなステップとなります。
工場はルーマニアの、ハンガリー国境近くの「オラデア」という町に位置しておりますが、
この地に決定するまでに、実に40以上の候補地の調査を行った様です。
労働者のスキルや、経済状況、インフラ整備、そして地政学的なリスクなどの
要素を注意深く検証した結果見事に選ばれた立地となります。
※このあたりの事情は、ニューヨークタイムズにも取材されており非常に興味深い内容となっています。【関連ブログ】
生産する商品は欧州マーケット向けの夏タイヤとオールシーズンタイヤが主力で、
現状の最大キャパシティは、年間で600万本程度。
2025年から本格的に市販用の生産を開始していきます。
プロジェクト責任者のAdrian Kaczmarczyk氏によると、
今後さらに生産規模を拡大していく予定の様です。
※英語ですが、ルーマニア工場のグランドオープニングのPodcastもどうぞ。
非常に困難な状況に陥りつつも、果敢に、そしてサステナブルな形で復活を遂げるノキアンタイヤ。
ノキアンタイヤは、フィンランドの企業ということもあり、
「サステナビリティ」に並々ならぬ注力をしている会社です。
実績に関しては、過去記事でご紹介しておりますので是非ご覧ください!
それでは今回はこの辺で!